もうすぐ会える 待ちに待ったこのとき やっと・・・ やっと 幾晩も何ヶ月も 会いたくて 会えない夜を超えて・・・ お待たせしました。 先月の50万HITのキリバンの物語 踏んでくれたsaoriさんからの希望の設定で描いた キリバン創作storyです。 (※これはあくまで架空のフィクションのラブストーリーです) あれは暑い夏のことだった。 一生懸命演じている 彼の姿を 一目見たくて 私は旅行と銘打って 彼に会いに韓国に発った。 やっとのことで 現場に辿り着いて 垣間見た彼は 大勢の人が見守る中で 彼は大学生である役柄になりきり 綺麗な汗を光らせていた。 そのあまりの美しさに 私は身体が竦んでしまい 動けなくなってしまう。 握手をする段になって みんな順番に並んでいるのに・・・ 友達に先に行かれてしまっても 私は後ろからじっと 彼の姿に見入っていた。 ふと彼がこちらを見た。 そして・・・ 自分の方へ来ない私を怪訝に思ったのか 何か問いかけるような表情をした。 ように・・・見えた。 暫くして 痺れを切らした友人に腕を引っ張られて 列に並び 自分の番が来たものの せっかくの またとないチャンスだというのに 私は彼の顔をまともに見ることが出来ず 俯いたままだった。 「ありがとう」 彼のほうからそう語りかけて 手を出してくれた。 「頑張ってください・・・」 聞こえたのだろうか・・・? 消え入りそうな声で その一言だけを なんとか搾り出し 彼に握られた熱を右手に感じながら 夢うつつのままで その場を去った。 それから数ヵ月後 私は偶然取れた連休を使って また彼のいる 隣の国へと旅立った。 ソウル市内をぶらぶらとしているとき ふとすれ違った男性に目を奪われた。 ・・・えっ・・・!?・・・ 彼・・・? 彼ではないだろうか・・・? いいえ 彼がこんなところを普通に歩いてなんか・・・ 慌てて振り返る。 もう一度 その顔を確かめたくて 彼の方へと走り寄ろうとしたとき 地面の凸凹に見事に足を取られて 私は派手に転んだ。 「きゃあっ!」 ばら撒かれた荷物。 「大丈夫?」 その低い声に 驚いて顔を上げると・・・ 彼だ。 ぼーっと見上げる私に手を差し伸べる。 私は・・・ その手を握ることが出来ない。 すると彼は しゃがんで私のばら撒かれた荷物を 拾い集め出した。 ふと その足元に目が行った。 「靴紐が・・・」 わたしはにじり寄って 彼のその解け掛かった靴紐を結んだ。 「え・・・?あ・・・ありがとう・・・」 彼は照れたように笑った。 荷物を全て拾い終わり 私の腕を取って立たせた後 「まいったな・・・ 僕が助けたつもりだったのに。 靴紐を誰かに結んでもらうのは スタイリスト以外では初めてだよ」 そう言ってはにかむ。 「あ・・・すいません」 「いや・・・ありがとう。大丈夫?」 「ええ・・・助かりました」 彼は私に 荷物を持たせると 「じゃ」 と言って去っていった。 私は その姿が人ごみで見えなくなるまで 身動きできないまま見守っていた・・・。 ホテルに帰ってからのこと。 買ったものの整理をしようと 大きな手提げ袋から中身を取り出していく。 あれ・・・? 小さなメモ紙を見つけた。 メモとはいえないくらいの小さな紙の切れ端・・・ 何・・・? 手書きの文字。 これは・・・? 彼の文字だった。 「もしも・・・もしもよければ電話を下さい」 メモにはそう書いてあって 電話番号が殴り書きのように並んでいた。 一気に胸が高鳴った。 おそらく彼は 私が結びにくそうに靴紐と格闘している間に こっそり書いて この荷物の中に紛れ込ませたんだ。 そして私は その夜 勇気を出して電話を掛けた。 きっと これが旅行先でなければ こんな大胆な行動は 出来なかったに違いない。 彼は次の日 私をホテルまで迎えに来た。 『丁度オフでよかった』 嬉しそうに笑いながら話すその横顔 今でも忘れたことはない。 彼の家に連れて行かれた。 家族はたまたま 買い物に出かけて留守だという。 いいんだろうか・・・? そんな不安が過ぎったが 彼に促されて 私はおずおずと部屋に上がった。 「一緒に映画でも見よう」 そう言って 通されたシアタールーム。 「ちょっと座って待ってて」 居場所が見つからず 部屋の隅に座り込んでいると 彼はマグカップを手に戻ってきた。 「そんなに隅に座らないでこっちへ」 「苦い・・・?」 「うん・・・いえ!」 慌てて否定する私に彼は笑って言った。 「甘いのが好き? でも・・・甘いだけじゃつまらないだろ?」 どきりと心臓が音を立てる。 彼の隣で 彼に入れてもらったエスプレッソを飲みながら 彼と・・・ これは夢だろうか・・・? どう考えてもおかしい。 私は自問自答を繰り返しながら ただただ 目の前に展開される 映画の画面だけを 身の入らない脳みそのままで見ていた・・・。 やがて映画が終わり 彼は口を開いた。 「どうだった?」 「・・・え・・・?・・・」 「ねぇ・・・君は・・・ いや・・・さおり・・・さん・・・? さおりさんは、僕のこと、どう思う・・・?」 「ど・・・どうって・・・・・」 「さおりさん、もしかして・・・ 夏に僕の握手会に来ていた?」 「えっ・・・!?」 覚えていたの!? あの・・・ 大勢のファンの中に塗れた私のことを・・・? どぎまぎを隠せない。 「気になってたよ・・・ 握手しに来たのに全然こっち来ないし」 そう言って高く笑ったかと思うと 真剣な目をして彼は言った。 「靴紐・・・嬉しかったよ」 「僕と・・・付き合って欲しい」 え・・・? 今、なんて・・・!? くらくらしてきた。 夢にしても程がある。 よほど悪い夢でも見ているのだろうか・・・? 恐ろしささえ覚えて 深呼吸をしようと 一瞬目を閉じた。 そして 目を開いた瞬間・・・ 彼の顔は わたしのすぐ目の前にあった。 「えっ・・・」 その次の言葉を 発せさせては貰えなかった。 次の瞬間 私の唇は 彼の柔らかく熱い唇に塞がれていた・・・。
by fu-rinnosuika
| 2007-12-12 23:55
| キリバン 創作
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イ・ビョンホン 以前は 彼一筋に愛していた女の 今現在の日常ブログです。
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