やがて 九時になり 九時半が過ぎようとした頃 バタバタと走る足音が 玄関外の廊下で聞こえる。 ・・・彼だ!!・・・ 思った瞬間 ガチャガチャと鍵を差込み ドアを開けて 彼は部屋に飛び込んできた。 「ただいま!チャンミ・・・!」 荷物もその場に放り投げ 腕を広げて あたしが飛び込んでくるのを待つ素振りを してみせる彼だったけれど あたしは行かなかった。 「れ・・・?チャンミ・・・?」 「れ?じゃないよ! 待ってたのに・・・遅いじゃない!!」 無性に腹が立った。 今何時だと思ってるの・・・? 九時半過ぎよ! ともすれば十時よ! 十時前なのよ!!! 「ごめん・・・実は」 彼の言葉を遮るようにあたしは言った。 「電話したのに・・・」 「ごめん・・・充電が」 「早く帰るって言ったのに・・・」 「ごめん・・・実はな・・・」 「お腹空いたのに~~~!!!」 彼の顔を見た安堵感と 待っている間の長かったこと それらが一気にこみ上げて 子供のように涙を堪えながら怒鳴り あたしは彼に背を向けて ソファに座った。 「チャンミ・・・」 「触らないで!!」 肩に手を掛ける彼の掌を 払いのける。 「チャンミ・・・!!」 後ろから両肩を掴まれた。 「もうっっ!!」 -ブッ・・・- 両腕を振り上げて 下に下ろした瞬間だった。 力んだあたしのお尻から 微かに聞こえた爆発音・・・ 「・・・・・・・・・・・・」 しばしの沈黙。 「ぷっ・・・わっはっはっは・・・」 思わず大声を出して笑う彼。 「もうっ!!どんなにあたしが・・・」 余計に腹が立って されど恥かしくて 真っ赤になって抵抗するも 彼の笑う顔を見て 無性におかしくなり あたしも噴出してしまう。 「あっはっはっは・・・!!」 「わははははは・・・!!!」 散々ふたりで笑いあった後 どちらともなく 見詰め合った瞳と瞳。 彼の瞳には 紛れもなく 鮮明にあたしの顔が映ってる。 「チャンミ・・・ごめんよ。これ・・・」 手に持っていたのは あたしが以前に 欲しいと零した とあるブランドのマグカップの箱だった。 「これは・・・?」 「だって今日は 僕とチャンミの記念日だろ?」 ・・・覚えていてくれたんだ・・・ 昨日から一緒にいたけれど そのことは 一切口に出さないでいた。 ただ あたしが休みの今日を使って 彼に手料理を作って 彼が帰ってきて驚かせたかった。 それから一緒に お祝いできればいいと そう思ってた。 「今日に間に合わせるために なんとか無理をして取り寄せたんだ」 「ところがさ・・・ 店に取りに行ってみたら 手違いがあって 別店舗にあるっていうから・・・」 「明日ここに移動すると言われたのだけど 今日じゃなきゃ意味がないから 地下鉄に乗って行って来たんだ」 おかしいな・・・ さっきまで笑ってたのに その前までは怒っていたのに 涙が溢れてきた・・・。 「チャンミ・・・」 涙を見られることが 恥かしいことを悟ってか 彼はあたしを胸の中に抱き締めてくれる。 そっと優しく・・・ そして 痛い程に強く・・・。 「ごめんね・・・」 そう言うのが精一杯だった。 ひとしきりあたしを抱き締めたあと 彼はあたしの頭を撫でながら テーブルの上に目をやる。 「うわっ!」 「え?」 「なんだこれ・・・ チャンミが作ったの?」 「うん・・・そうだよ」 「凄いよ・・・美味そうだ」 「食べてみなきゃわかんないよ」 照れ隠しで 拗ねてみせるあたしの顔を覗き込み 子供みたいに 嬉しそうな笑みを見せながら 彼は言う。 「うん!じゃあ、早く食べよう! 早く早く、お腹空いた!!」 ぷっ・・・ こういう表情って 本当に受ける・・・ たまらない。 「うん!あたしもだよ~!待ってたんだから!」 どちらとも無くキッチンに立ち 皿を出そうと 食器棚を開けようとしては手が触れる。 スープを温めようとしては また手が触れる。 そしてあたし達は 顔を見合って笑い合う・・・。 幸せとはかくや。 何気ない ただの出会いの記念日が こんなにも意味深く 楽しいものだなんて・・・。 どうしよう・・・? あたしはこれから 彼なしでは生きていかれない 彼がいなくなったら どうしよう・・・? でもそれは 言わないでおくわ・・・ だってきっと そう言えば彼は 「何言ってんだ! それはこっちの台詞じゃないか・・・! 僕こそ、チャンミがいなくなったら どうすればいいの?」 そんな風に言うに決まっているから。 それに・・・ きっとこうも言うに決まってる。 「馬鹿だな・・・ いなくなる筈無いじゃないか。 ずっとずっと僕らは一緒だ・・・ そうだろう?」 うん そう・・・その通り。 あたし達はいつも一緒。 あたしはあなたで あなたはあたし。 だってもう 出会ってしまったから・・・ だから 仕方ないから ずっと一緒に いてあげる ☆.。.:*・゚ REVEW ゚・*:.。.☆ ここに戻るまでの間、 新しいstoryが描けなくて(ρ_;)・・・・ぐすん やっぱり カラダがどうあれ 心が健康で前向きでなければ 創作は描けない事を学んだよ。 ここに戻るときには なにかを生み出せる気持ちになれて なにかを描くことが出来たらな・・・ そう思っていました。 浮かんだのはチャンミと彼。 だって・・・ あたしの描いた作品の中で 究極の癒やしは やっぱり このふたりに勝るものはないと思ったから・・・。 それに このふたりに合わせて~~!! とは 何度も以前から声を頂いていたから・・・ 描けてよかった^^ おならを彼の前で出来る仲。 これ、密かなるあたしの理想(笑)。 実のところ どうにもこうにも恋焦がれて 大好きな相手の前で 平気でおならするなんてありえない。 無論 チャンミについても わざとしたわけじゃなくて 怒ってて、腹に力が入っちゃって、つい・・・(爆) っていうところ。 でも それを笑いあえる そして そんな後でもロマンチックにも ラブラブムードにも持っていける そんな気のおけない仲が理想なのです(〃∇〃) みなさんに 愛と笑を感じてもらえたなら とっても幸せです(* v v)。 読んでくれてありがとう。 ★曲はKeali‘i Reichel で 『KAIONA』 です★ この、こころ和らぐふたりには あたしが思いつくのはやっぱりこのアーティスト・・・ ケアリイより他ありません(⌒~⌒) 暖かさと優しさを 共に感じてくれたらいいな♡ ※曲は下げましたm(__)m
by fu-rinnosuika
| 2008-01-31 01:18
| 創作 愛と笑いの日々
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イ・ビョンホン 以前は 彼一筋に愛していた女の 今現在の日常ブログです。
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